益先生 最終講義 2025/3/8

益先生の最終講義、2025/3/8です! 是非、ご参加ください!


●益 一哉先生 最終講義とお祝いの会のご案内

 https://x.gd/UnSnO (聴講も申し込みが必要です)

〇最終講義 「未来を先送りしない」

 日時:2025年3月8日(土) 14時~16時 (受付開始:13時)

 場所:東京科学大学 大岡山キャンパス 蔵前会館

 方法:ハイブリッド開催(オンサイト+zoom配信)

 登録:https://forms.gle/3nkAVDsJ8oCcrmCRA (2月3日まで)

〇懇親会

 日時:2025年3月8日(土) 18時~20時 (17時30分 開場)

 場所:新横浜プリンスホテル 5階 シンフォニア

 申込 https://forms.gle/s4X1tTcJeWBWcpXX7 (2月3日まで)

●連絡先 masulecture@nasu.iir.titech.ac.jp



最終講義 「「未来を先送りしない」 益 一哉

私は、1982年から半導体集積回路の研究を大学で行い、2024年9月まで東工大学長を務め、現在産総研に勤務しております。本講演では、研究者・教育者としての取り組み、学長として取り組んだこと、そしてこらからについてお話させていただきます。

東北大において研究者として歩み始めた当初から、産学連携による研究推進は当たり前のように行いました。1980年代90年代、日本の半導体に勢いのあった時は、何をやっても楽しい時期でした。東工大に戻り、2000年から2018年まで、高速・高周波CMOS集積回路設計やCMOSーMEMS集積回路研究に多くの学生や産業界の方と取り組みました。一定の成果は出せたのかもしれませんが、日本の半導体産業は衰退してしまいました。

一人の研究者として忸怩たる思いの中、閉塞感を何とか打破したいとの思いから、2018年から6年半、東工大学長として、東工大の研究力を向上させ世界最高峰の理工系総合大学にすることを目指しました。結果として、日本の産業創出力と東工大の大きな発展のために東京医科歯科大学との一法人一大学への統合を決断し、10月1日に大学統合を成し遂げることができました。

2024年10月からは産業技術総合研究所に新しくできた量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)で、研究開発だけではなくビジネス創出に取り組んでおります。まさに、社会実装、社会インパクトを与える仕事に取り組んでおります。

2020年頃から、我が国は世界の進化に追いつくだけではなく、自分たちで流れをつくるべく、2050年カーボンニュートラルを目指した「グリーンイノベーション基金」への投資、半導体研究開発、そして量子・AIへこれまでにない投資をしています。私の関係する分野にいおいてこれだけの投資は非常に大きなものです。これらの取り組みの成功は、新しい産業を興すことに尽きます。真に、「産」「官」「学」が志を高く持ち取り組む必要があります。

東工大学長としての6年半は、振り返ってみれば「未来を先送りしない」ということの具現化でありました。この志をこれからも多くの方と共有し、豊かな我が国を創っていきたい。半導体研究と教育の中で学んだこと、学長としての実践、そしてこれからの取り組みについて皆様と共有できればと思います。

なお、東工大学長としての取り組みは、「科学で未来を創造する大学へ Team東工大、2,374日の挑戦 (ダイヤモンド社 2024年9月刊」にまとめました。ご笑覧いただければ幸いです。https://www.diamond.co.jp/book/9784478085103.html